FRPとは

FRP防水工程

ここではご参考として、一般的な弾性FRP防水処理をコンクリート(モルタル)の上に行う場合の方法をご紹介します。

(1)下地処理

  1. 下地を充分に乾燥させます。新しいコンクリートの場合にはアク抜きに3週間程度おきます。FRP樹脂は水分に触れると硬化せず、後の剥離、硬化不良等を引き起こす原因になる為、部分的な湿りについてもきちんとバーナー、トーチ等で完全に強制乾燥させます(水分10%以下推奨)。
  2. 表面状態のチェックを行います。亀裂、剥離が無いか、特に立ち上がり部分と平面部の接点、ジョイント部分が有る場合は隙間、泥や水の溜まる箇所等をチェックしていきます。状態の悪い周辺部|こはゴムハンマー等で浮きあがりが無いか調べます。そしてチェック箇所にはカラーマジック等で下地に直接指示書きしておきます。
  3. 必要に応じてモルタルの塗り直しを行います。浮き上がりの激しい部分は撤去し、亀裂が激しい部分はサンダー等でV溝に広げ、新にモルタルの塗り直しをします。その他の不良箇所はプライマー塗布後、パテ等で補修します(後述)。
  4. 表面処理を行います。表面のゴミ、汚れ、凹凸、塗装等の表面処理部分、出ズミ入ズミR箇所等を皮スキ、ディスクサンダー等で削り平滑に仕上げます。仕上げが完了したら、作業時等に出た粉塵等をほうき、掃除機等で完全に清掃します。

(2)プライマー塗布

下地が完全に乾燥していることを確認した後(特に(3)のIIIで新たにモルタルの塗り直した場合)、モルタル表面の吸い込みを見ながらローラー等でプライマー(下地と防水剤を馴染ませる為の接着剤の様な物で下地毎に様々な種類がある)を均一に、充分に染み込ませるように塗布します。そして塗布後、30分以上乾燥させます。

(3)補修

不良箇所、コーナー部、目地等にパテ等を充填し、凹凸が無いよう表面全体を平滑|こ補修します。

(4)FRP積層

  1. 仕様の再チェックを行います。作業仕様書等の配合比、m2当りの樹脂、ガラス繊維、硬化剤等の使用量の再確認を行います。
  2. 下塗りを行います。樹脂に規定量の硬化剤を混ぜて、ローラー等でムラ無く塗布していきます。表面の吸い込みが多い場合には、再度塗りこんでいきます。
  3. FRP積層を行います。初めに立ち上がり部やコーナー部からガラス繊維を貼り、規定量の硬化剤を混ぜた樹脂をローラー等で含浸塗布していき、次に平面部の奥の方から順次同様にFRP積層していきます。ガラスマット白色のガラス繊維は、樹脂が含浸すると半透明に濡れていきますので、状態を確認し、混入した気泡を見落とさず脱泡しながら積層していきます。脱泡の際、脱泡ローラー等でガラスマットを押え過ぎると平滑性が損なわれますので、注意して優しく作業を進めていきます。またガラスマットの重ね巾は、50mm以上は取るようにし、端末は手で揉みほぐし、出来る限り重ね段が目立たない様に平滑に仕上げていきます。一般的な積層は2プライで強度が必要な箇所は3~4プライです。尚、水漏れを防ぐ為にガラス繊維は5cm程度重ねて積層していきます。

(5)サンディング処理

  1. 硬化後、積層部分が白くなっている部分や空気が入っている部分はカッター、サンダー等でくり抜き、再度積層します。
  2. マット積層時の跳ね上がり、毛羽立、樹脂玉、マット重ね段等、表面の凹凸を拾ってペーパー、サンダー等で平滑に仕上げます。
  3. 今までの工程チェックを行い、気付いた個所の補修を行います。

(6)上塗処理

ガラスマット目を押える為、表面に樹脂をムラ無く塗布し表面をコーティングしていきます。既に表面調整作業済みなので、樹脂の表面平滑性に任せた自然な作業を心掛け、樹脂溜まり、樹脂ダレに注意します。

以上、一般的な弾性FRP防水処理の手順を簡単にご紹介しましたが、実際にはFRP防水作業には、求められる要件別に様々な工法、資材があり、その選定、施工には多くの知識と経験が必要とされ、その技術レベルによっては同一仕様であっても仕上り耐用年数等に大きな差が生じます。
安価な輸入資材の使用、積層数の誤魔化し、着色塗料などによる技術の誤魔化し等で格安且つ、粗悪なFRP防水施工が多々見受けられますのでご注意下さい。

我々タカシ産業株式会社は、全国コンパック工業会会員会社であり、当社防水施工は、当工業会の定めるコンパック工法に準じ、防水工事作業技能者(当社有資格者一覧)により行っております。

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